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*こんな話を始業式でしました。一部書き直し、補足があります。
リオオリンピックの話をします。
色々と話題が豊富な大会でしたが、僕は、柔道の8個の銅メダルが印象に残っています。
知ってのとおり、柔道は、男女14階級のうち、女子の2階級以外すべてメダルを獲得し12個のメダルを取りました。そのうち8個が銅メダルです。
柔道は、同じ格闘技のレスリングやボクシングとは違い、3位決定戦、敗者復活戦があります。トーナメント戦を一つ勝てば、そのあとはもし負けても敗者復活戦により銅メダルのチャンスが残されています。
日本の柔道は誰もが金を目指して大会に臨みました。金以外は負け。銀や銅ではだめだという強い気持ちで戦って来ました。
しかし、途中で負けて、金の夢を打ち砕かれた。
そのとき、選手はどんな気持ちだったろう。4年間この日のために苦しい練習にも耐え、負けることなど想像もせずひたすら頂点を目指して走り続けて来たのです。
普通なら、そこで落胆して闘争心を失い、集中力を切らせてしまうはずです。
しかし、8人の銅メダリストたちは違った。
夢を打ち砕かれても、もう一度勇気と闘志を奮い起こし戦った。
そして勝ちとったのが銅メダル。
それは、精神力・人間力の強さの証しだと思います。
ただ単に、上から3番目の銅とは、銅の意味が違います。
改めて、日本の柔道はすごい。だから世界一なのだ、と思いました。
僕らは、日常生活の中で、ちょっとつまずいただけで、すべてを否定してしまったり、もうどうでもいいやと投げ出してしまったり、それまでの丁寧さや慎重さを失くしてしまったりすることがありますね。そのときに、柔道の8個の銅メダルを思い出してほしいんです。
たとえつまずいても、たとえ失敗しても、たとえ負けたとしても、僕らの人生には敗者復活戦がある。3位決定戦がある、と。
銀よりも重い銅メダルがある、金よりも尊い銅メダルがあるんだ、と。
人生の銅メダル。
それは、失敗しても、最後まで気持ちを切らさず努力し続けた者への勲章であり、金より価値のあるもう一つの栄光だと思います。
*スポーツの世界の話なので、9月10日のバレーボール女子の県体での開始式でも同じ話をしました。
≪エピソード≫
始業式を終えて体育教官室に戻ると、サッカー部顧問の山本佳司先生がこんなことを話してくれました。
「偶然ですね。ぼくも柔道の銅メダルの話、サッカー部の生徒らにしましたよ。ぼくの場合は、サッカーでコーナーキックを取られたときというシチュエーションでしたけどね。コーナー取られて、不利になったとき、そこから気持ちを切らさずに守り切る精神力が、一度負けても敗者復活戦で勝ち上がるニッポン柔道の選手の心の強さと通じるところあると思ったのです。大事なことですよね、そのことって」
カリスマ指導者と注目するところが同じだったことに少し嬉しくなった9月1日でした。